株式会社サンウエスパ様のカンボジア法人であるUNWASPA Co., Ltd.様は、カンボジアでSDGs事業を拡大するにあたって現地のパートナーとなる方を探していらっしゃいました。
ソーシャルマッチングにより、カンボジア農家を支援をする社会起業家チャンティエン氏とマッチング。カンボジアの農家の生産性向上を目指し、実際に日本の中古田植機を導入するテストマーケティングがスタートしました。
UNWASPA清水様にチャンティエンさんとの出会い、そして今後の展望についてお伺いしました。
(以下、敬称略)

マッチング商談の様子(左上:ソーシャルマッチ樋口、左下:清水様、右下:チャンティエン様、右上:UNWASPAご担当者様)

一緒に事業を進めていけそうな現地の繋がりがほとんどなかった

ーカンボジアで現在どのような事業を展開されていらっしゃいますか

清水:日本ではリサイクル事業を行っていますが、そこから派生して、カンボジアではホテイアオイという外来植物を使ってバイオエタノールを作ろうという事業に取り組んでいます。そして、このバイオエタノールをクラフトジンとして販売する事業に、メインで関わっています。
そのほかにも、日本からの中古農機具の輸入販売や、カンボジアの胡椒の輸出販売を絡めながら多面的なアウトプットをしていく予定です。

ーサービス利用前にどのような悩みや課題がございましたか。

清水:弊社はカンボジアで事業を始めて1年ほどですが、一緒に事業を進めていけそうな現地の繋がりがほとんどなく、私たちの事業を進めていく上で、どういう人たちと協働していけば良いかが分からなかったことが課題でした。

ーソーシャルマッチのサービスをご利用いただいた理由を教えてください。

清水:弊社としてSDGsに関わる事業を推進しようとしていました。ソーシャルマッチがSDGsに携わる東南アジアの企業と日本企業のマッチングを支援しているということで、理念に共感したという理由が一番です。

ーなぜSDGsに取り組もうと思ったのでしょうか。

清水:弊社は日本ではリサイクル事業を中心に行っています。今の社会を考えると環境問題は避けて通れないと思います。
「リサイクルとは、そのものの価値を永続させることで、モノを循環させる」という考え方なので、私たちが元から行っていたビジネスとSDGsが繋がるのではないかと考え、カンボジアでもSDGsを中心に事業を展開していきたいという社長の思いがあります。

農家支援への共感とお互いが必要としていることがマッチした

ーカンボジアの農家支援を行う社会的企業のチャンティエンさんをパートナーとして選んだ理由を教えてください

清水:チャンティエンさんが、現地の農家を支援する形で活動しているというところに共感したというのと、日本からの農機具を必要としているということで、弊社の「商流を創り、価値を永らえさせる」という経営理念とマッチすると思ったからです。

清水さんとチャンティエンさんの初回面談の様子

ー実際にチャンティエンさんと面談してみていかがでしたか。

清水:チャンティエンさんは、カンボジアの農家の生活をよくしたいと純粋に考えている人だというのが伝わってきました。私としても、これからもっと一緒に事業をやっていきたいと思いましたし、今回、商談が成立したのはとても嬉しかったです。

日本では役目を終えた田植機がカンボジア農家の所得向上につながる可能性がある

ー現在チャンティエンさんとどのような取り組みを進められていますか

実際に日本からカンボジアに輸出された田植機

清水:今回、チャンティエンさんに中古の田植機を1台購入していただくことになりました。ただ、カンボジアでは田植機の導入が進んでいないということがあり、チャンティエンさん自身も田植機を使用するのは初めてなので、まずはトライアルということで販売させていただくことになりました。
この田植機ですが、日本では離農などの問題で処分を検討する農家さんが多く、日本国内での循環利用には限界があります。そうしたもう使われない中古農機具を、また別のところで活かせる形になりました。ここで価値を終わらせるのではなく、他の場所で活用して欲しいですね。

ー今後どのような協働を希望されますか

清水:チェンティエンさんは、田植機の使用が初めてなので、まずは使い方ですとか、今後どうやったら現地の農家さんにもっと田植機を使っていただけるかを一緒に考えたいです。もちろん、田植機がその土地に合わないことも考えられるので、その時はまた別の方法を模索したいですし、もし、田植機がその土地に適していて農家さんの収穫が上がって、収入が上がる結果に繋がるなら、もっと田植機を導入していけたら良いなと思っています。

ーソーシャルマッチのサービスを利用してよかった点と、今後期待することを教えてください

清水:自社の事業内容に合わせてマッチしそうな現地の起業家を紹介していただいたところです。そして、初めてのチャンティエンさんとの顔合わせの時も、コミュニケーションのサポートをしていただけたので、商談を進めやすかったです。
これから、また新しい事業が進んでいくと思うので、また新たに協働できる現地企業や団体のご紹介をしてほしいです。

ー 最後に、どのような方にソーシャルマッチのサービスをご活用いただけそうでしょうか。

清水:現在、コロナ禍で渡航が難しい状況です。現地にはいないけれど日本から現地でのビジネスをしたいと考えている企業にとって、ソーシャルマッチは現地の団体と繋がりがあるので、現地によりフィットしたビジネスができるのではないかと思います。

※掲載内容は取材当時(2021年8月)のものです。

ソーシャルマッチ担当コンサルタントよりコメント

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樋口
カンボジアでは、農業従事者が多い一方で、多くの農家が貧困に陥っており、農業の生産性向上に取り組むことが必要だとされています。
チャンティエンさんから、農機具を必要としている農家がおり、需要が高まっているとお伺いしていました。今回のマッチングにより、現地の農家が希望していた農機具が初めて導入されることで農業の生産性向上が期待できるだけでなく、日本で活用されていなかった農機具がカンボジアで新たな価値として蘇るということも非常に意義があることだと感じています。 現地パートナーであるチャンティエンさんと取り組むことで、現地ニーズに合わせた本当に必要とされている取り組みが実現できたこととても嬉しく思います。