(左から、樋口、治郎丸様、原畑)

自転車活用に繋がる製品やサービスの開発を行う株式会社chata様と、村に住む女性を中心とした職人を支援するカンボジアの社会的企業セパック様の協働によりメッセンジャーバッグが誕生しました。

「初めての海外との取り組みで英語もできず当初は不安だらけだった」と語る株式会社chata代表取締役の治郎丸様に、共同製品開発までの経緯や、ソーシャルマッチのサポートサービスについてお話をお伺いしました。(以下、敬称略)

CSRでは限界を感じ、SDGsに取り組もうと思った

ー SDGsに取り組もうと思った背景を教えてください。

治郎丸:もともとSDGsを取り入れる前から、国内の自転車利用普及への貢献や自転車事故撲滅の啓蒙活動を、会社としてやっていきたいという中で、市民活動的にイベントなどを何回か行なったことがありました。
しかし、そうしたCSR活動をやるためには、企業に資金的な体力がないと続けられないと思いました
その当時、CSR活動を何回かやっていましたが、お金がかかります。けれど、来ていただいたお客様からはお金は取れない。そうした変なジレンマに陥ってしまいました。

続けるにはどうしたらいいかというところで、SDGsの考え方を教えてもらって、この考え方を経営に取り入れれば、社会貢献もしながら、自社も成長していけるということを知って、取り入れることにしました。

SDGsに同じ想いで活動してくれるパートナーがなかなか見つからなかった

ー SDGsに取り組むにあたってなぜソーシャルマッチをご利用いただいたのでしょうか。

治郎丸:これからSDGsに対して何ができるかというところで、同じ思いで活動してくれるパートナーを探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
そうした中、知り合いからソーシャルマッチを教えていただきました。ソーシャルマッチにご紹介いただき、今回、カンボジアでものづくりをするセパックさんという、素晴らしい取り組みをされている社会的企業と繋げていただきました。

ソーシャルマッチとの出会いがなければ、まだ悶々とSDGsについて、いろんな資料を見ながら「何ができるだろう」ということを考えていたかもしれません。実際、アクションを起こしたいというタイミングでソーシャルマッチと出会えたということが、起爆剤となりました。

sdgs online mtg
セパックとの商談の様子

ー もともと海外でのお取り組みを考えていたのでしょうか。

治郎丸:今回、海外の課題に対して弊社ができることを考えさせてくれるチャンスを与えてくれたのは、ソーシャルマッチとの出会い、そこだけです。
SDGsの取り組みについて、皆さん国内同士での取り組みが多い中で、実際にこうした小規模な会社が海外と歩幅を合わせて活動ができるというのは、なかなかチャンスがないと思います。それができたことがとても良かったですね。

英語もできず不安だらけだったが、サポートのおかげで解決した

– 海外の問題に取り組む際に不安はありましたか?

治郎丸:もう不安だらけでした。まず、私が英語ができないというところで言葉の問題がありました。ただ、言葉の問題は、ソーシャルマッチのスタッフさんが英語が堪能なので、すぐ解決できました。

今回、弊社が作らせていただいたメッセンジャーバックというのは、横浜市のSDGs bizサポート補助金の事業の一環でやらせていただきました。補助金なので、最後にいろいろな資料や成果報告を市に提出しないといけないという中で、自社で作成するもの以外に、先方の資料も添付しないといけない。
そういった、見積書や請求書、納品書についてどう説明すればいいんだというところが、めちゃくちゃ不安でしたけれど、そこもソーシャルマッチが噛み砕いてセパックさんに伝えてくださったことによって、その問題は一気に解決されました。

メッセンジャーバッグは、赤色と青色の2色を展開

自社とセパックさんの両方の目線に合わせて話をつないでくれた

ー 実際にサービスを利用して良かった点はなんですか?

治郎丸:セパックさんと当社の両方の目線に合わせて色々と話を繋いでくれた、そこがすごく良かったです。セパックさんは、私の会社の事情など分からないし、書類の話など日本の文化をカンボジアに伝えるのは自分では難しいじゃないですか。そういったことや専門用語なども、セパックさんに分かりやすく伝えてくれました。

また僕らもカンボジアから品物を入れるときに何が必要でどんな心配事があるかが分からない中で、ソーシャルマッチが噛み砕いて説明をしてくれた、そこが良かったところです。

ソーシャルマッチ樋口が通訳やコミュニケーションサポートを行なった

ー これからのSDGsの取り組みの展望を教えていただけますか?

治郎丸:当社のビジョンである『お客様よし』『作り手、売り手よし』『社会よし』+『未来よし!』の四方よしの取り組みを、どんな小さなことでもいいので、事業として続けていくことです。

そして、今回こうしてセパックさんと知り合って、とてもお互い共感できるところもあったので、この関係性を続けていく。お互い共に成長し合えるそんな仲間になれればいいなと思っています。

小規模事業者も何はともあれ、SDGsを一回やってみればいい

ー 最後に、どのような方が、ソーシャルマッチのサービスを利用できると思うかお聞かせください

治郎丸:規模の大きい会社だと、自社でやっていけるとは思いますが、大手企業だけがSDGsに取り組んでも世界は変わらないと思います。やはり、我々のような小規模、中規模の企業が進んでSDGsに取り組むことが必要です。そのためには国内だけではなく世界に目を向けてもいいなと思いました。
そのときに、誰か助けてくれる人がいないとやれないというところで、ソーシャルマッチでの海外社会的企業との繋がりはSDGsの17番(パートナーシップで目標を達成しよう)にも関係するんじゃないかなと思います。

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小規模事業者も何はともあれ、SDGsを一回やってみればいいじゃんと思います。海外に拘らなくてもいいんだけれど、やってみてダメだったらまた次の手を考えてみたら良いのではと思います。
そういう意味では、うちの会社は、今回とてもラッキーだったと思います。
セパックさんとは、仕事的にも人間的にも繋がった感じがあって、まだまだ今後も一緒にやりたいと思えました。一社でやって一社で勝者になるということは、これからはもうないんじゃないかなと思います。共同協創、一緒に考えて一緒に創って共に世の中を良くする、そういうのが理想だと思っています。

ーありがとうございました。治郎丸さんとセパックさんとの関係性が末長いものとなるように、弊社もお力になることができましたら幸いでございます。

※掲載内容は取材当時(2021年5月)のものです。