中央:大京運輸株式会社 代表取締役舘氏、右:ソーシャルマッチ代表原畑、左:ソーシャルマッチ樋口

運送業はどうしてもCO2・Nox・PMなどを排出してしまうことから、幹部へのSDGs研修も実施し、率先して環境問題に取り組んでいる大京運輸様。
環境に優しく社会調和を大切にする企業として「未来につなげよう!一人ひとりが出来ることからコツコツと。」をスローガンに、更なるSDGsの取り組みの拡大を考えていた。
そんな折、SDGsビジネスを学ぶ会にて、カンボジアの現状を知り、カンボジアの隣国であるタイでもビジネス展開を行なっていたため、カンボジアの社会問題を身近に感じた。寄付を通じてカンボジアでのSDGsの取り組みを実施することを決意。

グローバルパートナーシップによる取り組み

ソーシャルマッチは、SDGsに取り組むカンボジア現地の企業/NGOの代表からヒアリングした課題をもとに、SDGs寄付プロジェクトを立案。大京運輸様の資金サポート、現地パートナー様の現地での取り組み実行により、三つのプロジェクトが実現。1年以上にわたってSDGs寄付プロジェクトが継続されている。

カンボジアの子どもたちに教育と栄養を届けるプロジェクト

背景

子どもたちが暮らすアンドン村の様子

ゴミの上に木をつぎはぎして造られた家、昼間から漂うお酒の匂い、ギャンブルに盛り上がる大人の声。そんな中を裸足で駆け回るカンボジアの子どもたちがいる。その子どもたちは、都市のスラムに住んでいたが、強制移住を強いられて都市近郊のアンドン村に暮らしている。
子どもたちの保護者の中には、その日暮らしの生活をしており、子どもたちに十分な栄養がある食事を提供できていないケースが多くある。
栄養不足は、子どもの成長に大きく影響し、病気や体調不良を引き起こす。教育支援NGOが運営する学校「KCS」に通う子どもは一般的な同年齢の子どもと比べると体格が小さい。勉強に集中するためにも健康で、栄養のある食事を摂ることが求められている

取り組み

2022年1月より、教育支援NGOが運営する学校「KCS」に通う子どもたち全員に無償で給食を届ける取り組みをスタート。
ドナーからの寄付が減ってしまい、子どもたちへの給食を提供できなくなってしまった課題があった。
大京運輸様が子どもたちの毎食の給食費を全額サポートし、KCSが子どもたちへ食事を開校日毎日提供。1年以上続いている取り組みである。(2023年1月現在)

給食を提供する前の子どもたちの出席率は79.8%であったが、毎日給食を提供した期間の出席率は95.4%と、出席率が15.6%増加
ある子どもは、給食提供前は登校日の半分以上欠席していたが、給食が始まってからほぼ毎日登校するようになったなど、給食の効果が見られた
給食を通じて子どもたちへの教育機会の提供へとつながり、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」のみならず、目標4「質の高い教育をみんなに」にも貢献。

ソーシャルマッチのサポート

・カンボジアのパートナーの紹介、現地の課題をヒアリングした上での、プロジェクトの立案・運営・改善
・栄養バランスが取れた食事を目指したプロジェクト改善のため、KCSへカンボジアで飲食事業を展開するCHIDORI代表中川氏の紹介。一部の食事メニューを中川氏が担当するなど連携が行われる
・プロジェクトのインパクトを調査し、可視化
・毎月のレポート報告

現地からの声

学校でいつも健康的な給食が食べられて嬉しいです!
お陰で僕は、より幸せに、より健康に、より大きく成長できています。ありがとうございます。

ーKCSに通うソバットさん

この度、大京運輸様をからご支援をいただけることになり、大変光栄に思っております。子どもたちの多くは栄養が足りていないので、大京運輸様からの寄付によって栄養のあるおいしい食べ物をたくさん提供することができます。子どもたちはとても喜んで食べていて、とても感謝しています。大京運輸様のご支援に感謝申し上げます。

このプログラムは、子どもたちが生涯にわたって健康的な食生活を送るための習慣を身につけることのにも役立っています。さらに、この寄付は地域の人々にも役立っています。私は地元の人々や市場からたくさんの食品を購入しました。そのため、地元の人たちの収入につながり、雇用の創出にもつながっています。消費は経済を活性化させます!

現地パートナー KCS サボット代表


脆弱な立場の方々へ家の提供を通じて自立を支援するプロジェクト

背景

カンボジアで貧困層が住む地域では、ギャンブルや薬物を使用する人もおり、安全ではない地域がある。そういった地域では、スラムのように家と家の間隔が狭く、柵や鍵がなかったり、いつでも侵入できてしまうような簡易的な家に住んでいたりと、不安を抱えながら暮らしている人がいる。
引っ越しや改築しようにも、経済発展により、地価や建築資材が年々高騰しているため、まとまった資金を確保できない人が多くいる。
また、貧困層の中には、その日暮らすことが精一杯で貯蓄ができず、子どもの教育にお金を使うことができず貧困の連鎖が続いてしまったり、病気の際に治療を受けるお金がなったりする。

取り組み

2022年1月より、カンボジアの建設会社マイ・ドリーム・ホーム社との協働により、脆弱な立場にある人々を住居を通じて自立支援するプロジェクトをスタート。
大京運輸様の資金支援により、中学校教師であり、シングルマザーとして3人のお子様を育てるウムさんの安全な住居の建築が実現。ウムさんが暮らす地域には、薬物を使用している人が近くに住んでいたり、家と家の間隔も狭くプライバシーがなかったりと、安心できない家に住んでいた。
本取り組みにより、家の周りに壁を設けてセキュリティを強化することができ、安心して暮らせる丈夫なレンガ造りの家を手に入れることができた。また、持ち家があることによって、今後子どもたちの教育費を貯蓄することが可能となり、自立した生活を後押しとなる。

ソーシャルマッチのサポート

・カンボジアのパートナーの紹介、現地の課題をヒアリングした上での、プロジェクトの立案・運営・改善
・コンギー氏と密なコミュニケーションを取りながら現地で必要とされている建築支援のすり合わせ
・毎月のレポート報告

現地からの声

今の家を自分の家と呼べるのは初めての感覚です。
子どもたちも喜んでいるし、家族のために毎月50ドルくらいは貯金できています
 
家は決して大きくはありませんが、家族にとっては十分な広さです。
私の娘には自分の部屋があり、他の2人の子どもと私の部屋もあります。
近所の人が遊びに来たとき、私の家は彼らの家より涼しいと言われました。
敷地を守るためにフェンスも作ったので、この家なら安心して暮らせます。
 
“マイ・ドリーム・ホーム”を通じて私の家族を支援してくださった大京運輸様に深く感謝しています。もしこのサポートがなければ、私は賃貸住宅に住み、家族のために貯金をすることができなかったかもしれません。
また、マイ・ドリーム・ホームが風通しの良いレンガを提供してくれたおかげで、家の中の空気の流れが良くなり、(日中も)暗くならずにすみました。

住居支援を受けたウム氏

このたびは、大京運輸様からの支援により家を建てることができ、住居支援を受けたウムさんとマイ・ドリーム・ホームは深く感謝しています。レンガを積み重ねることで、今まで賃貸だった家が持ち家になり、今までにない感覚を味わうことができたとウムさんは話しています。
マイ・ドリーム・ホームにとって、これはピラミッドの底辺にいる人々が手頃な価格の住宅にアクセスできるようにする素晴らしい方法です。

ー現地パートナー マイ・ドリーム・ホーム社 コンギー代表

人と動物の命を守るプロジェクト

背景

カンボジアは世界有数の狂犬病発生国で、毎年800人ほどの人が亡くなっている(※1)。そのため、犬に狂犬病ワクチンの予防摂取を進めることが必要とされている。
また、カンボジアには、約500万匹の犬が生息しており、猫の数は犬の数よりも多い。(※2)。人間の世話を必要とする犬と猫が何百万匹もいると言われており、レスキュー活動をするNGOアークには、怪我や病気などで支援を必要とする犬と猫が毎月100~200匹程やってくる。

※1参考:外務省 世界の医療事情 カンボジア(プノンペン), https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/cambodia.html (閲覧日2023/1/10)
※2アニマル・レスキュー・カンボジアより情報提供

取り組み

2022年1月より、カンボジアの動物福祉NGOアークとの協働により、犬と猫の支援をスタート。
大京運輸様が資金支援により、犬への狂犬病のワクチン接種や、病気や怪我をした動物の治療、リハビリのための医療用品・ペットフードなどを支援。

一例として、猫ヘルペスウイルスによる痛みを伴う角膜潰瘍に苦しんでいた猫のソックが、本取り組みの支援により緊急の眼科手術を受けることができた。
犬のワクチン接種により、顧みられない熱帯病である狂犬病の発生を減らし、人間の命を守る取り組みであり、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献。

ソーシャルマッチのサポート

・カンボジアのパートナーの紹介、現地の課題をヒアリングした上での、プロジェクトの立案・運営・改善
・アークと密なコミュニケーションを取りながら現地で必要とされている支援のすり合わせ
・毎月のレポート報告

現地からの声

カンボジアには、500万匹以上の犬と、さらに多くの猫がいます。
彼らは皆、住まいや食べ物、医療、そして人間の愛情に欠けています。
さらに、毎年800人もの人々が狂犬病で亡くなっています。
アニマルレスキューカンボジアは、このような状況を改善するために、動物や人間のために尽力しています。

そのためには、大京運輸様のような寄付者の方々の献身的なご支援が不可欠です。大京運輸様の優しさによって定期的に、またインパクトを大きく、恵まれない犬や猫を支援することができています。大京運輸様の献身的な姿勢に、私たちは深く感謝申し上げます。
大京運輸様の支援によりアークでは、以下の支援を行うことができました

(1)持続可能な動物福祉を実現するために、犬猫のコアワクチン・狂犬病ワクチンの付与
(2)ストレスを軽減する器具の設置やセンターのアップグレード
(3)医療用品や機器、ペットフードの購入など、恵まれない猫や犬のための支援

ー現地パートナー アーク ティナ代表

ソーシャルマッチコメント

大京運輸様に寄付の成果をご報告させていただいた際に、
「一番の成果は、この子どもたちの笑顔」と給食を無邪気に食べる子どもたちの写真を見て、満面の笑みを見せていただいたことが、忘れられません。

2022年は、円安や原油高など、どの企業様にとっても環境変化が大きい年だったかと存じます。そのような状況でも変わらず寄付の継続をいただいたおかげで、安定的な現地でのサポートが1年以上にわたって今もなお続いています。
子どもたちが学校で食事をとることができ、出席率が上がったこと、自立した生活をおくるためお母さんへ安全なお家を建てれたこと、狂犬病の予防ができ人と動物の命が守れたことなど、大京運輸様、現地パートナー様とのグローバルパートナーシップのおかげで、このような成果を出すことができ、とても感動しています。

引き続き、ソーシャルマッチは、大京運輸様の想いを現地にしっかりと届けることができ、現地で笑顔になる人々をより増やせるように、現地パートナー様と密にコミュニケーションを取り、プロジェクトを支援してまいります。

ソーシャルマッチ株式会社代表取締役 原畑実央


大京運輸様のSDGsの取り組みはこちらからご覧いただけます